― 骨折してからではなく、骨折する前に。そして、やめずに続けることが何よりの予防です ―
骨粗鬆症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。痛みなどの自覚症状がほとんどないまま進むため、「骨折して初めて気づいた」という方も少なくありません。
特に背骨や脚の付け根の骨折は、寝たきりや介護が必要になる大きなきっかけになります。当院では訪問診療の中で、骨粗鬆症の治療を始めること、そして無理なく続けることを、ご本人・ご家族と一緒に支えています。

骨粗鬆症で起こりやすい骨折
背骨(いつの間にか骨折)
尻もちや、くしゃみ・重い物を持つ程度でつぶれることがあります。背中が丸くなる・身長が縮むことで気づくことも。
手首・腕の付け根
転んで手をついたときに起こりやすい骨折です。最初の骨折のサインになることがあります。
脚の付け根(大腿骨)
転倒がきっかけで起こり、歩けなくなることも。手術や入院が必要になることが多い骨折です。
一度骨折すると、次の骨折が起こりやすくなります
「骨折の連鎖」に注意しましょう
骨粗鬆症による骨折を一度起こすと、次の骨折を起こす危険性が高くなることがわかっています。背骨の骨折のあとに別の背骨、さらに脚の付け根…と、骨折が続いてしまうことがあります。
最初の骨折は「次の骨折を防ぐ合図」です。骨折の治療が終わったあとも、骨粗鬆症の治療を始めましょう。
こんな方は、一度ご相談ください
- 背中が丸くなった、若い頃より身長が縮んだ
- 転んだ・尻もちをついただけで骨折したことがある
- ステロイドのお薬を長く飲んでいる
- やせている・食事量が減ってきた
- 横になっている時間が長く、体を動かす機会が少ない
- 以前に骨粗鬆症の治療をしていたが、いつの間にかやめてしまった
※これまでの骨折の有無、病院で測った骨密度、血液検査などをもとに、治療が必要かどうかを判断します。
治療を「続ける」ことが大切な理由
1
効果は少しずつ、確実に
骨は毎日少しずつ入れ替わっています。お薬の効果は目に見えにくいですが、続けることで骨折を減らすことができます。
2
自己判断でやめると元に戻ってしまいます
お薬をやめると、強くなった骨は少しずつ元に戻ります。特に6か月ごとの注射(デノスマブ)は、中止すると骨が急に弱くなり、背骨の骨折が続けて起こることがあります。やめる・変えるときは必ずご相談ください。
3
お薬は「引き継ぎ」ながら続けます
骨をつくる注射のように使える期間が決まっているお薬もあります。期間が終わったら、骨を守るお薬に切り替えて、増えた骨を保ちます。
4
続けやすい方法を一緒に考えます
飲み忘れや注射の時期は、訪問看護・薬局・施設の皆さま・ご家族と協力して管理します。お一人で抱え込む必要はありません。
「続けにくい」と感じたら、こんな方法があります
| こんなお悩み | 当院での対応 |
|---|---|
| 痛くないので必要性がわからない | 治療の目的は「骨折を防ぐこと」。ご本人の骨折の危険性をわかりやすくご説明します。 |
| 毎日飲むのが大変 | 週1回・月1回の飲み薬や、6か月に1回の注射など、回数の少ない方法を選べます。 |
| 飲み込みが心配 | 飲み薬ではなく、訪問診療で行う注射治療に切り替えることができます。 |
| 歯の治療が心配 | 歯科と連携しながら治療を続けます。歯科を受診するときはお薬の名前を伝えてください。 |
| 通院が難しい | 注射も含め、ご自宅・施設での訪問診療で治療を続けられます。 |
骨粗鬆症の治療について、わからないこと・気になることは、訪問の際にお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症シリーズ(全5回)
- 骨粗鬆症の治療を「始める」「続ける」ことの大切さ(この記事)
- 訪問診療で行う「骨をつくる」注射治療(テリパラチド・ロモソズマブ)
- 訪問診療で行う「骨を守る」注射治療(デノスマブ)
- 訪問診療で行う骨粗鬆症の飲み薬の治療
- 施設・多職種と連携した転倒予防・骨折予防の取り組み
ゆずの木ホームクリニック
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2026年10月 作成