― 骨折の危険性が高い方に、ご自宅・施設で注射治療を行います ―
骨粗鬆症の注射薬の中には、骨を新しく「つくる」はたらきを持つお薬があります。すでに背骨の骨折がある方や、骨密度がとても低い方など、骨折の危険性が高い方に使われる治療です。
当院では、テリパラチドとロモソズマブの注射を訪問診療で行っています。通院の負担なく、ご自宅や施設で治療を受けることができます。

2つの「骨をつくる」注射
| テリパラチド | ロモソズマブ | |
|---|---|---|
| はたらき | 骨をつくる細胞を活発にして、骨を増やします | 骨をつくる力を高め、同時に骨がこわれるのをおさえます |
| 注射の間隔 | 週2回 (お薬の種類によります) |
月1回 (1回に2本注射します) |
| 治療期間 | 最長24か月(2年) | 12か月(1年) |
| 注射する人 | ご本人・ご家族による自己注射、または施設の看護師・訪問看護師・医師が注射します | 訪問診療の際に医師が注射します |
| 主な副作用 | 吐き気、気分不快、めまい、頭痛など | 注射した部位の腫れ・痛み、血液中のカルシウムの低下など |
※ロモソズマブは、過去1年以内に心筋梗塞や脳卒中を起こした方には使いません。それ以外でも、心臓や脳の血管の病気を起こしやすい方は、骨折を防ぐ効果と危険性をよく比べて、使うかどうかを慎重に判断します。
訪問診療での注射治療の流れ
治療が合うかを確認します
これまでの骨折、病院で測った骨密度、血液検査、心臓や腎臓の状態、飲んでいるお薬などを確認します。
ご説明と同意
治療の期間・費用・副作用について、ご本人・ご家族にご説明します。納得されたうえで治療を始めます。
決められた日に注射します
テリパラチドは、ご本人・ご家族や看護師が決められた曜日に注射します。ロモソズマブは、月1回の訪問診療の日に医師が注射します。注射の予定は施設や訪問看護とも共有します。
期間が終わったら「骨を守るお薬」へ
決められた期間が終わったら、デノスマブ注射や飲み薬に切り替えて治療を続けます。
期間が終わっても、治療は終わりではありません
増えた骨を「守る」治療へバトンタッチ
骨をつくる注射で増えた骨は、そのままにしておくと少しずつ元に戻ってしまいます。そのため、決められた期間が終わったら、骨を守るお薬(デノスマブ注射やビスホスホネートなど)に切り替えて、骨の強さを保ちます。
ご本人・ご家族による自己注射も、安心して始められます
- 注射のしかたは、医師・看護師が実際に一緒に行いながらお伝えします
- 慣れるまでは、訪問看護が注射を手伝うこともできます
- 使い終わった注射針は、お伝えする方法で回収します
- 「うまく打てたか不安」「打ち忘れた」ときは、遠慮なくご相談ください
注射治療中に気をつけること
注射のあとに気分が悪くなったら
吐き気やふらつきを感じたら、横になって休んでください。症状が続くときは当院へご連絡ください。
ロモソズマブの治療中に、すぐに連絡が必要な症状
胸の痛み・息苦しさ、片側の手足のしびれや動かしにくさ、ろれつが回らないなどの症状があるときは、すぐに当院へご連絡ください。急ぐ場合は救急車を呼んでください。
注射の日に体調がすぐれないとき
熱がある、食事がとれないなど体調がよくない日は、無理をせず注射の日をずらすことができます。訪問時にお知らせください。
費用について
保険診療の対象で、自己負担額はご負担割合によって異なります。注射のお薬は飲み薬に比べて費用が高めになるため、治療を始める前にご説明します。
どの治療が合うかは、骨折の状況や体の状態によって異なります。気になる方は、訪問の際にお気軽にご相談ください。
骨粗鬆症シリーズ(全5回)
- 骨粗鬆症の治療を「始める」「続ける」ことの大切さ
- 訪問診療で行う「骨をつくる」注射治療(テリパラチド・ロモソズマブ)(この記事)
- 訪問診療で行う「骨を守る」注射治療(デノスマブ)
- 訪問診療で行う骨粗鬆症の飲み薬の治療
- 施設・多職種と連携した転倒予防・骨折予防の取り組み
ゆずの木ホームクリニック
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2026年10月 作成