
大腿骨頚部骨折は、太ももの骨(大腿骨)の付け根にある細い部分「頚部」が折れる骨折で、高齢者が転倒した際に最も起こりやすい重篤な骨折のひとつです。骨粗しょう症によって骨がもろくなっている方では、軽い転倒でも発症することがあります。大腿骨頚部骨折は寝たきりのきっかけになりやすく、骨折後に手術・入院・リハビリが必要となるケースが多いため、骨折前からの予防と、万が一骨折した際の早期発見・早期対応が何より重要です。長野県佐久市で骨粗しょう症・骨折予防についてお悩みの方は、
主な症状
- 転倒後から始まる股関節・脚の付け根の強い痛み
- 痛みのために立ち上がれない・歩けない状態
- 患側(骨折した側)の脚が外側に向いて短くなって見える(外旋短縮変形)
- 股関節を動かそうとすると激しい痛みが走る
- まれに骨折のずれが少ない場合、痛みが比較的軽く、しばらく歩けてしまうケースもある
- 骨折後の長期臥床による、肺炎・深部静脈血栓症・褥瘡などの合併症リスク
- 手術・入院・リハビリを経ても、骨折前の歩行能力に戻れないケースがある
予防と対策
- 骨粗しょう症の治療・管理を適切に行い、骨密度の低下を防ぐことが最大の予防策です。
- 筋力トレーニングやバランス訓練(片足立ち・スクワットなど)を継続し、転倒しにくい体を作る。
- 室内の段差をなくす・手すりを設置する・滑り止めマットを敷くなど、転倒リスクを下げる住環境の整備を行う。
- 夜間のトイレ歩行時の転倒が多いため、足元の照明を確保し、必要に応じて夜間ポータブルトイレの導入を検討する。
- カルシウム・ビタミンD・たんぱく質を積極的に摂取し、骨と筋肉の維持に努める。
- 視力低下や起立性低血圧など、転倒の原因となる症状を適切に治療・管理する。
- ヒッププロテクター(股関節部を保護するパッド入り下着)の着用を検討する。
受診の目安(こんなときは早めに来院してください)
- 転倒後に股関節・脚の付け根に強い痛みがあり、立てない・歩けない場合(救急受診が必要です)
- 転倒後に痛みが比較的軽くても、股関節周囲の違和感・痛みが続く場合(骨折のずれが少ない場合は歩けることがあります)
- 骨粗しょう症と診断されているが、転倒後に股関節に痛みが出た場合
- 以前に大腿骨頚部骨折や圧迫骨折を起こしたことがあり、転倒後に痛みが出た場合
- 骨粗しょう症の治療・骨折予防についてあらかじめ相談したい場合
- 退院後のリハビリや在宅での療養管理について相談したい場合
診断方法
大腿骨頚部骨折の診断では、まず問診にて転倒の状況・受傷時の状態・骨粗しょう症の有無・これまでの骨折歴などを確認します。次に患部の視診・触診で変形や圧痛の有無を評価します。画像検査ではX線(レントゲン)撮影が基本となり、骨折の部位・程度・ずれ(転位)の有無を確認します。骨折のずれが少なく、X線では判断が難しいケースでは、
よくある質問(FAQ)
Q: 大腿骨頚部骨折は必ず手術が必要ですか?
A: 多くの場合、手術による治療が選択されます。大腿骨頚部骨折を安静・保存療法のみで治療しようとすると、長期の臥床が必要となり、肺炎・深部静脈血栓症・褥瘡・筋力低下などの合併症リスクが大幅に高まるためです。手術には骨接合術(骨をスクリューやプレートで固定する方法)と人工骨頭置換術(骨頭を人工物に置き換える方法)があり、骨折の部位・ずれの程度・患者様の年齢・全身状態を考慮して選択されます。手術が難しい全身状態の場合は、リスクとベネフィットを慎重に検討したうえで方針を決定します。
Q: 手術・入院後、自宅に戻ることはできますか?
A: 骨折前の生活状況・回復の程度・自宅の環境・介護力によって異なりますが、リハビリを継続することで自宅復帰を目指すことは十分可能です。退院後は訪問リハビリ・訪問看護・訪問介護などの在宅サービスを組み合わせて利用することで、安全に在宅生活を続けることができます。ゆずの木ホームクリニックでは、退院後の在宅療養をチームでしっかりと支援します。退院前から相談いただくことで、よりスムーズな在宅移行が可能になりますので、佐久市およびその周辺にお住まいの方はお気軽にご連絡ください。
Q: 大腿骨頚部骨折を繰り返さないためにはどうすればよいですか?
A: 再骨折予防の柱は、骨粗しょう症治療の継続・転倒予防・栄養管理の3つです。骨粗しょう症治療薬(ビスホスホネート製剤・抗RANKL抗体薬・PTH製剤など)による骨密度の改善、カルシウム・ビタミンDの補充、筋力・バランス訓練、住環境の整備を組み合わせて取り組むことが重要です。一度大腿骨頚部骨折を起こすと、反対側の骨折リスクも高まることが知られています。骨折後も定期的な骨密度検査と医師によるフォローを継続することをお勧めします。ゆずの木ホームクリニックでは、長期的な再発予防もしっかりサポートします。